榎本梓はあむあず界隈以外でもヒロインか?

 昨年からずっとあむあず界隈のみが「梓ちゃんはヒロイン」だと声高に叫んでいるわけですが、彼女がヒロインだったことなんてありましたっけ。それらしかったところを強いて挙げるなら兄回?
 個人的にヒロインというのはすごくざっくり分けて【恋愛】タイプ、【重要人物(キーパーソン)】タイプ、それと必然的にこの二つは混合される場合が多いので【ミックス】タイプの三種類になると思うのですが、梓は恋愛もなくストーリー展開にも大きく絡んでくることがないのでヒロインとは呼べないのではないでしょうか・・・。執行でのあの三十秒ほどの出番でなにか物語を大きく変えたわけでもないですしね。
 ヒロイン説否定の理由を以下に。
 
 まずヒロインという言葉は女性でなんらかの実績を持ち、人格に優れた人物を指します。女性の主人公であったり、主人公の恋愛対象、相棒、物語上の重要人物をも同様に呼んでいます。
 コナンの場合で言うと主人公江戸川コナン(新一)のヒロインは幼なじみで両片思いの相手(後に恋人となる)毛利蘭ですね。彼女は恋愛のみならず他の重要人物の助けになっている展開や他者へ影響を与えるような関わりも多いため、押しも押されもしない、立場のわかりやすいヒロインではないでしょうか。
 灰原哀は初期の頃はコナンに想いを寄せている描写がありましたが、最近はそのような様子は描かれていません。しかし恋愛がなくても彼女はストーリーの鍵となるアポトキシンの作成者であり、コナンと対立構図になる組織の元幹部でもあり、同時に重要人物の赤井、ジン、ベルモットなどの関係者でもありますから相棒タイプのヒロインと呼んで差し支えないかと思います。
 コナン(新一)に対応する主たるヒロインのポジションにいるのはこの二人と考えていいのではないでしょうか。また、主人公に好意を向けているという意味で吉田歩美と世良真純も、気持ちは報われないものの物語上で主人公らの助けになる、影響を与える局面が描かれていることからヒロインたちの一人と数えて良さそうです。
 以下、恋愛を軸に京極真のヒロインは鈴木園子、服部平次のヒロインは和葉、高木渉のヒロインは佐藤美和子、白鳥任三郎のヒロインは小林澄子、羽田秀吉のヒロインは宮本由美、千葉和伸のヒロインは三池苗子となりますね。親世代では毛利小五郎のヒロインは妃英理、工藤優作のヒロインは藤峰有希子です。
 恋愛が過去のエピソードとして語られているのが赤井秀一と死亡した宮野明美。ジョディ・スターリングは別れた今も赤井を想っている描写がありますので、彼のヒロインはこの二人ということでいいでしょう。これから先ジョディとの復縁があるかもわかりません。
 降谷零に関しては初恋が宮野姉妹の母エレーナであると原作で描かれましたし、映画であれだけはっきり恋人はこの国と名言している上、潜入中のトリプルフェイスで立場が非常に複雑なため直近でキャラクター相手に恋愛をする可能性は低いのではと考えられます。
 候補としては既に登場しているキャラから声優さん繋がりでキール、バーボンとの関係から発展してベルモット、宮野エレーナの娘志保、赤井の妹である真純、探偵見習い兼喫茶店員安室の繋がりで梓または緑という具合に広範囲で女性キャラクターと絡みが見受けられるものの、降谷の素顔を知る人物は女性では誰もいません。キャラの持つ特殊性から、ゼロの顔を知らない人間がラブコメ相手になる展開は一見ドラマティックかもしれませんが難しく思われます。本来の顔を誰かに知られた場合任務の続行と生存が非常に困難になりますし、コナンと赤井の場合は主人公とライバルポジションの特権のようなものでしょう。
 コナンにおけるラブコメの前提に照らし合わせると、

 男女キャラクターの印象的な出会い

 頬染めに代表される恋愛進行段階の丁寧な描写

 双方で想いを寄せたり嫉妬するシーンやモノローグ

が必須かつどの女性キャラも該当していないことから、クライマックスに近づいている今の状況を見ても公式で安室に対してキャラクターのお相手が決まる可能性は考えにくいと思います。もしあるとしたら専用の新キャラが生み出されることでしょう。こちらは警察関係キャラで余った形になった千葉と由美がくっつくのでは?という一部の期待と予想を裏切って由美には秀吉、千葉には苗子が考え出されたことを根拠にしています。

 前置きとても長くなりましたが、これまでの原作展開で梓にヒロインの要素はあったでしょうか?
 微にいり細にいり書かなくてもいいと言われそうですが、根拠となる原作の内容を抜きだして書いてあっても、前後の文脈や行間が読めないことに定評があるのがあむあず界隈なので念入りに書いています。最もこれを彼女たちが読むかまでは知りませんけど。
 誰かに片思いをするでもなく(アニメで彼女に片思いしてポアロに通う大学生が描かれたことはありますが、アニオリの一発キャラで原作には登場なし)、ラブコメを置いておいても梓には特別大きな活躍もありません。兄回で高木を撒いた予想外の行動力と、宅急便回のレシートの内容を覚えていた記憶力は私個人は好きですが、基本的に彼女の役割は伝書鳩か賑やかし、事件の持ち込み役ばかりで登場そのものも長期連載の初期からいたわりには少なめです。
 原作において他の女性キャラと比べて特に優れた要素も功績もなく、ラブコメ展開にも絡まない彼女をヒロインと呼ぶのは無理があるでしょう。あむあず界隈内だけでヒロイン扱いするのはいいのですが、原作でもヒロインだという主張は明らかに虚偽ですし、魅力的な女性キャラと呼ぶにはあまりに内面の掘り下げがなさすぎて説得力に欠けます。なにも知らない善意の一般人女性として描くのが限界です。
 榎本梓はあくまで喫茶ポアロのいち店員で安室の潜入先の先輩同僚に過ぎず、名探偵コナンにおける公式ヒロインではありません。 

 

 ついでに、あむあず界隈が、あむあずが(いずれ)公式になる根拠(と言いつつこじつけが多い)として持ち出すのが、他版権作品の○○とあむあずが似ている!というものです。
 今までこじつけに利用されたカップリングは

 サス○×サク○(nr門)
 リョー○×saku○(テニ王
 剣○×カオル(るr剣)
 リ○ァイ×ペト○(sn撃)
 15×or姫(鰤いち)
 沖○×神○(gin魂)

です。どれも伏せが無理やりですみません。
 いずれも毎度判で押したように、闇を抱えた男性キャラ△△を癒やす女子キャラ○○!あむあずと似てる!と言われて都合よく盾にされ、すり寄りされています。
 あいにく最後のgin魂はよく知らないので言及しませんが、sn撃の組み合わせ以外は全員公式の主人公でヒロインで公式CPですよね。sn撃は男性側からの恋愛感情はなく女性キャラ側も恋愛というより憧れ(詳細は不明)、というくらいのぼんやりした描き方をされていた記憶です。はっきり言ってどれも似てはいません。
 安室も別に主人公ではない(ティータイムではそうかもしれないがあくまであれはスピンオフであり、なんなら梓や風見の登場コマの方が多い回さえある)し、闇を抱えているなんて話や描写、モノローグも出てきていません。仮に何がしか苦しんでいたとしても何度も言うように立場が立場なので安易に他人に助けを求めたり、勝手に拠り所にして依存するということは考えにくいのではないでしょうか。
 梓も明るいことは明るいですが以前も書いたように接客業に従事して看板娘的存在と言われるのなら愛想なしなケースの方が有り得ない(要するに彼女だけに限った特徴ではない)でしょうし、特定の誰かを癒す?ような出来事もお魚メール回の満の件があった程度です。母親が梓と似ていたのでメールで話相手になっていた話ですね。
 あむあず界隈内だけで通じる根拠のない希望的観測をさも原作にあって正しい内容のように言いふらすのは相変わらずのようです。
 どれだけ原作の梓が嫌いなんだろうか、あむあず界隈・・・。
 


 思い出し追記。
 以前榎本梓が美人かどうかの記事を書いたあとで、美人ではないと名言されていないんだから美人かもしれないじゃないかとコメントをいただいたんですが・・・いや、だから美人ではないと結論した理由込みでもう再三書いています。
 美人や可愛いといった容姿のヒエラルキーが上位の設定の場合、他のキャラクターのリアクションでちゃんとわかるんですと何度言ったらいいんですか。そういう場合主に探偵団や小五郎さんからストレートに褒められてるでしょうに。
 外見や性格などがいい場合やや過剰に持ち上げられる傾向のあるコナン世界で肝心の上げる描写がない、小五郎が彼女の前でええ格好しいを発揮しない、コナンや光彦から大袈裟だの写真写りだけはいいなどのオブラートにつつまないコメントをされている、横の安室をイケメンと褒める歩美が梓のフォローをしない、園子や蘭も容姿を褒めた例がない(園子の「割とロリ顔」はバンドメンバーを集めたいためで褒めたわけではない。現に言われた本人が困惑していることから嬉しい言葉でなかったのが読み取れる)。
 原作内に梓が特筆するべき美人ではない根拠が複数あるのに、頑なに美人なんだと言い張るのはどうしてですかね?何か、他を圧倒するような美人(で巨乳で天然で無知で聖母)でないと困る理由があるんでしょうか?
 再度言っておきますが、私は別に梓は不美人だと思ってないですよ。ただ普通の若い女性のキャラだと思ってるだけです。コメントの人がまだ読んでいるかはわかりませんけど、そういうことですので悪しからず。

 ・・・こうやって事実を書いたら誹謗中傷って言われるのも、大概なにかおかしくないですかね。