設定盛りすぎは悲惨の一言(あむあず)

 個人的な話。あむあず界隈でもてはやされる二次創作のヒロイン像が未だにとても謎です。
 梓ちゃんはいい子、元気、明るい、お茶目とこれくらいなら全然許容範囲。喫茶店のウェイトレスというキャラクター配置に相応しいイメージだと思います。
 猫が好きというのも、飼うくらいだからありでしょう。あえて言うと幾ら怪我をしていたとはいえ首輪つき(飼い主がいる可能性がある)の猫を、本当の飼い主について調べもせずに飼い始めるのは少々非常識では?とも思いますが、これは後のお話に繋がるネタなのでスルー。
 他には、マスターの蘊蓄を披露するシーンがあることから聞いたことは喋りたいスピーカータイプで、杉人回の大胆さから見るに案外思い切りがよく、バンド回の園子の誘いに困惑するだけでのらなかったことから比較的堅実な性格なのではないかという印象を受けます。全体的にいわゆる陽キャでも陰キャでもない、どこにでもいるごく普通の若い女性らしい感じです。
 ここまでを前提にして、あむあず二次で付与される設定を見てみます。

 

 安室の闇を払う天使あるいは聖母、女神

 (別に安室は闇を抱えていない。作中で天使と呼ばれるのは蘭。梓は当然聖母とも 女神とも言われたことはない)
 スレンダーで巨乳、というかもう奇乳

 (体型への言及なし。作画を見る限り極端な凹凸はないコナン界平均的ボディ)
 目が大きく笑顔がかわいい美人

 (笑顔はともかく外見については散々書いたので割愛)
 みんなに愛されてモテモテ

 (愛されモテモテと呼べる描写はない。刑事にウケたのはパスタ)
 ノーメイクだけどメイクばっちり美人よりも美人

 (公式美人に名前が上がったことはない)

 安室にとって守るべき相手、平和の象徴

 (そんな設定はない。あればベルモットに情報渡そうしない。恋人はこの国)
 ベルモットを超える色気の持ち主

 (勿論そんな事実や描写はない)
 ベルモットにセコムされる

 (実際にセコムされているのはコナン、蘭である)
 子供に慕われており人気がある

 (探偵団からは犯人扱い、子供のお願いは善意とはいえ即バラし安室に丸投げ)
 小五郎には娘同然に思われている

 (そんなシーンやセリフはない)
 実はあの方、ラム

 (あの方だとすると100歳超の化け物ということに・・・。なおラム候補ではない)
 実はマトリ

 (大卒だとは思われるものの薬学を修めている設定、様子はない。無理)
 実は公安の協力者

 (危険を侵して一介の喫茶店員を協力者にする意味がない)
 赤井の恋人だった明美に似ている

 (似ていると言われたのは蘭。明美はタレ目ではない)
 赤井に惚れられ安室と三角関係になる

 (そんなフラグはない。赤井とは会っていない)
 安室の初恋の人エレーナに似ている

 (似ていない。金髪だからパンという偏見的な発言あり)
 景光の妹

 (梓の兄は杉人、景光の兄は高明)
 宮野家の次女で榎本家の養子になった

 (宮野家次女は志保。養女の事実はない)
 榎本財閥のお嬢様

 (財閥令嬢は園子。そんな設定はない)

 他人の心の痛みに敏感

 (そんな設定なら迂闊に金髪パンなどと言わないしカラスミ奪い合いもしない)

 よく気がつく

 (加湿器にも白湯にも気づかずポットの口の向きにも無頓着)
 天然、無防備

 (その言葉はキャラクターの非常識の免罪符にはならない)
 生理の臭いがきつい

 (そんな事実はない。というかそんなケアもしない女の子は嫌だ)
 女子力が高い

 (自炊はしているようだが女子力高いと言及、描写されたことはない)
 幼少期に安室や警察学校組と関わりがある

 (そんな事実はない)
 組織にさらわれる

 (今までにもなく今後も有り得ない)
 バーボンの仕事を目撃して監禁される

 (そんな事実はない。遭遇しても適当にいいくるめられて終わる)
 警察学校組がセコムになって安室を懲らしめてくれる

 (ここまでくるともう意味が分からない)

 9/27部分追記

 商店街・地域の皆さんにもモテモテ

 (アニオリ大学生と自転車少年ヒロキ以外に好意を持たれているような描写なし)

 商店街の人たちの間では梓の意志を尊重して紳士協定が結ばれている

 (そんな描写やセリフは一切ない)

 あむあずが公式CPになったらララブコメではなく正統派恋愛模様が描かれる

 (意味が分からない二度め。それって最早コナンでなくていい話では・・・)

 

 こんなところでしょうか。
 二次創作ではどうしても設定は盛りがちになるものです。ない属性を足すあるいは元々の属性をさらに大袈裟にするのはよくあることですが、それにしてもよくこれだけ盛る属性捏造・発掘・パクったなあともう呆れる感じです。全部盛ってないにしても並べるとやりすぎ感がすごい。
 善良な一般人枠の榎本梓をどうしても重要人物にしたいという執念だけはひしひしと伝わってきますが、欲張って盛りたいだけ盛った結果矛盾を起こしたら意味がないんですよね。描く側の力量や作風との相性もありますし。
 二次創作ではただでさえ原作のキャラクターという揺るがぬ土台があるわけなので、創作したい作品の世界観とキャラクター設定に照らし合わせ、自分が扱える範囲を考えて矛盾を起こさない程度に盛った方がいいと思います。そのほうが絶対に描きやすいです。
 設定を盛ってる自覚がない場合それも困りものですが、先日話題にした敗ドさんのように原作の梓には全く似ていないあずさもどきがデフォルトのあむあず界隈なので、本当は自分たちのイメージする美人のモテモテヒロインあずさが虚像でしかないのは自覚しているんでしょう。飾り立てた幻想の梓ちゃんのイメージを界隈で必死になって守っているのでもなければ、原作に基づいた事実を言われたところでいちいちキレて否定する必要ないですもんね。
 あむあず民さんは予備知識なしで同人はじめた主婦層やリアル学生も多いようなので、二次創作のやり方とマナーを一からお勉強しなおした方が今後のためになるんじゃないでしょうか。
 来年二月にもアンソロジー発行の予定が出ているようですし、またぞろ公式トレパク・絵寄せの同人誌頒布なんてことがないようにお願いしたいところです。